久しぶりのデューデリ

 

 2月に久しぶりに企業間の M &A について対象会社の法務デューデリジェンスを行う機会を頂いた。

 

 その中で創業者の方にお話を伺う機会があった。

 

 

 1時間程度であったが、

 

 会社を立ち上げて、軌道に乗せるまでのご苦労、会社を取引先に評価してもらい、信用してもらうための努力、そのために自らを律していくことの重大さ、多くの従業員の生活を守っていくという強い思い、

 

 

 その思いが、今回の事業承継の動機となっていること等々、

 

 お話を聞いてすごく感動した。

 

 

 デューデリは5人の弁護士でチームを作って行った。

 報告書のまとめで、創業者の思いを少し紹介させてもらった。

 

 

 デューデリの報告書としては必ずしも必要な記載ではなかったが、事業を承継する側にも、創業者の思いを伝えたかったので、余事記載をせずにはいられなかった。 

 

 

                    弁護士 宮國英男

2017年07月12日(水)

第1回の返済

 

 

 負債約10億円を抱えて、民事再生をした会社がある。

 

 

 

 債権者には、大幅な債権カットをしていただいて、残金を年1回の6年払いの約束である。

 

 

 

 その第1回弁済が先日無事に終わった。

 

   正直ほっとした。

 

 

 

 債権をカットしていただいた上に第1回の弁済から滞っては、債権者に申し訳ない。

 

 

 再生会社もその信頼に応えるべく、懸命に仕事をした結果だと思う。

 

 

 

 

 信頼に応えるって大事だけど大変だ。

 

 

    さあ、あと5年5回。


弁護士 宮國英男

2017年08月10日(木)

消滅時効について

 

 

 すでに時効が完成している借金でも、借主が 「払います。」 と言えば、時効の効力が失われる。

 

 そこで、時効完成後も、貸主としては、なんとか借主に 「払います。」 と言わせたい。

 

 

 

 

 その方法の1つが、 

  「最初の1年は、1,000円ずつでもいいですから。」 という誘い文句である。

 

 

 借主が 「1,000円ずつでよければ、払います。」 といえば、一丁上がり。

 

 

 多額の元本・損害金が復活する。

 

 


 最近 金融業者のこのような 「1,000円作戦」 にまんまと引っかかった方の相談を受ける機会が数回あった。

 

 

 そもそも時効という制度は 「権利の上に眠る者は保護しない。」 という制度である。

 

 借主の知識が十分でないことに乗じて、眠っていた貸主の権利が復活するのもどうかと思うが、

 

 

 1,000円ずつ支払うかどうか よくよく吟味していただきたい。

 

 

 

弁護士 宮國英男

2017年10月27日(金)

誰も嘘はついていない

 

 

 

先日相談を受けた直進バイクと右折軽自動車との衝突事故。

 

 

 バイクの運転手は

    「自分の信号は青だった。」 と言うし、

 

 軽自動車の運転手は

    「自分の方の信号は右矢印が出ていた。」 と言う。

 

 

 

どうして、このような真逆な話になるのだろうか。

 

 

   誰かが嘘をついている。

 

 

   いや実は誰も嘘はついていない。

 

 

 

 私はこう思うことにしている。

 

 事故というパニック状態の中で、自分に不利にならないように、脳が真実とは異なる記憶を作ってしまうのではないかと。

 

 だから 嘘をついているではなくて、本人は記憶に従って事実を述べているのだと。

 

 

 こう思えば、相手のことを 「嘘つき」 と非難する必要はない。

 

 

 

 誰も嘘を言っているのでない。

 

 正直者同士の事故として、事情を聴く。

 

 

 その上での法律相談となる。

 

 

弁護士 宮國英男

2017年12月01日(金)

親不孝

 


成人したこどもが、親の思うように育っていない 「うちの子は親不孝もので。」

  そんな相談をよく聞く。

 

 

 でも、子どもはみんな親孝行だ。

 

だって、生まれてきた といっては親を喜ばせ、

 

  ハイハイが出来た、立った、歩いた  といっては親を喜ばせてきた。

 

 

かつて あなたにこれほどの幸福を与えた人は、他にいただろうか。

 

  そんな問いかけをしてみる。

 

 

確かに,大きくなって 借金はする、仕事はしない、結婚してはこじれる では

 

 「親不孝」とも言いたくなる。

 

でも、親不孝という言葉には、これまでかけてきた愛情を裏切られた というニュアンスがある。

 

 

もう親不孝と思うのはやめよう。

 

 一人の人間として、親としてどう向かい合うかの問題だ。

 

だって、親孝行はもう十分してきてもらったはずだから。

 

 

宮國英男

 

2018年01月18日(木)

未払残業代

 

 

先日のある会社社長の相談

 

 

退職した従業員から、

 

「未払残業代が約300万円あるから払って欲しい。」

 

という請求を受けているというものであった。

 

 

未払残業代があれば、支払う義務がある。

 

ただ、その請求は過大であったので、いろいろ協議して、70万円で示談した。

 

 

毎月の未払残業代も積もれば多額になる。

 

なぜ、残業代は未払で積もっていくことがあるのか。

 

 

それは、従業員と社長が仲良しであることが原因である場合が多い。

 

仲良しだから、社長も甘えるし、仲良しだから従業員も請求を我慢する。

 

 

しかし、ひとたび、喧嘩別れして退職ということになるとそれが顕在化する。

 

 

親しき仲にも礼儀あり。

 

仲がいいときほど、けじめをつけておくことが大事である。

 

宮國英男

2018年03月15日(木)

先延ばし

 

 

先延ばしって、しばしば大事だ。

 

今悩んでいることが、先延ばしすることで、

  心が落ち着くことがある。

 

時間の経過によって、

 

  そのときには見えなかったいろいろなことが 見えてきたりするからかも知れない。

 

 

 

だから、しばしば相談者に 「この問題は、少し先延ばししましょう。」

 

  と言うことがある。

 

 

我ながら変なアドバイスだなと思うが、

 

  相手は 「先延ばししてもいいんだ。」 と少し安心する。

 

 

悩んで、解決の糸口が見えないとき

 

  先延ばしもひとつの方法である。

 

宮國英男

2018年06月08日(金)

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